こんにちは、安泰漢方鍼灸院の院長稲葉貞子です。
日中はまだ暑さが残るものの、朝晩はぐっと涼しくなってきましたね。
この季節、

「なんだか体が重い」
「疲れが取れない」
「肌や喉が乾く」

そんな不調を感じていませんか?
それは、秋特有の“秋バテ” かもしれません。

🍂 秋バテの正体は「気虚」と「秋燥」のダブルパンチ

東洋医学では、秋バテの原因を
「気虚(ききょ)」=エネルギー不足
「秋燥(しゅうそう)」=乾燥のダメージ
この2つの要因が重なることで起こると考えます。

☀️ 夏の疲れを引きずる「気虚(ききょ)」とは

「気虚」とは、体を動かすエネルギー=“気”が不足している状態です。
夏のあいだに次のようなことが続くと、秋まで疲れが残ってしまいます。

  • 冷房の冷えと外気温の差で体力を消耗
  • 冷たい飲み物・アイスで内臓を冷やす
  • 暑さによる食欲不振

これらが重なると、体はエネルギーを回復できず、
だるさ・疲れやすさ・食欲不振・風邪をひきやすい といった不調が続きます。

💨 秋の乾燥がもたらす「秋燥(しゅうそう)」

秋は空気が乾き、体の中の“潤い”も失われやすい季節。
東洋医学ではこの乾燥の影響を「秋燥」と呼び、
とくに「肺」を弱らせると考えます。

肺は呼吸だけでなく、皮膚・粘膜・髪とも関係が深い臓。
そのため、秋燥の影響が出ると――

  • 喉のイガイガ、空咳が出る
  • 肌の乾燥やかゆみ
  • 鼻の乾きやつまり
  • 髪のパサつき
  • 便が硬くなる

といった症状があらわれやすくなります。

気象庁|日本の季節の特徴(秋)

⚖️ 「だるさ」と「乾燥」が同時に出る理由

気虚でエネルギーが不足している体は、
乾燥や寒さから身を守る力(防衛力) も弱くなっています。
そこに秋燥が重なると――

気が足りない(防御力ダウン)
 ↓
乾燥に対抗できない
 ↓
だるさ+乾燥症状が悪化

このようにして、“秋バテ”が完成してしまうのです。

🍠 今日からできる!秋バテ対策3つのポイント

① 日本の旬食材で「潤い」をチャージ

特別な食材を探さなくても、身近な秋の味覚で体を整えられます。

おすすめ食材

  • 梨:喉の渇きを癒やし、肺を潤す
  • れんこん:咳・喉の乾きに◎
  • 大根:消化を助け、胃腸を温めながら潤す
  • 里芋:とろみが粘膜を守り、喉にもやさしい

🫕 簡単レシピ例:
「れんこんと大根のお味噌汁」
体を冷やさずに潤いを与え、朝の一杯にもぴったりです。

② 睡眠と休息で「気」を養う

気を補うには、まず休むこと
消化のよい食事をよく噛んで食べ、胃腸に負担をかけないようにしましょう。

  • 寝る1時間前はスマホをオフ
  • 38〜40℃のぬるめのお湯にゆっくり浸かる
  • 深呼吸や腹式呼吸で“肺”の働きを整える

③ 軽い運動で「気の巡り」をスムーズに

激しい運動は気を消耗するため、軽めが◎
朝の散歩やストレッチで血流と気の流れを促しましょう。

おすすめは:

  • 朝日を浴びながら15分の散歩
  • 呼吸を意識してゆっくり歩く
  • 公園の木々を眺めてリラックス

💆‍♀️ 鍼灸で整える秋のからだ

当院では、秋バテのタイプに合わせて次のようなツボを使います。

  • 足三里(あしさんり)・関元(かんげん):気を補う
  • 肺兪(はいゆ)・太淵(たいえん):肺を潤す
  • 全身調整のツボ:体質に合わせたオーダーメイド施術

鍼灸は、気と潤いのバランスを整え、秋の不調を根本から改善へ導きます。

🍁 まとめ

秋バテは、
夏に消耗した気(エネルギー)+秋の乾燥による潤い不足 が原因で起こります。
だるさ・疲れ・乾燥が気になるときは、
早めに体をいたわり、季節に合った養生を意識しましょう。

無理をせず、しっかり休み、旬の食材で体を整える。
それが“秋の元気”を取り戻す第一歩です。

「どうしても疲れが抜けない」「体の内側から整えたい」という方は、
お気軽に安泰漢方鍼灸院へご相談ください。