こんにちは。週の後半、いかがお過ごしですか?
朝晩の空気がひんやりとしてきて、季節の変わり目を感じますね。
「なんとなく元気がない」「鼻水が少し出ている」——
そんなお子さんの“風邪のひき始め”のサイン、見逃していませんか?
実は、最初にできるいちばんやさしいケアは、お薬ではなく、パパやママの手のぬくもりです。
今日は、東洋医学の「小児推拿(しょうにすいな)」から、
乳幼児から安心してできる“温めスキンシップ”の3つの方法をご紹介します。
どれも力はいらず、親子で笑顔になれる「手あて」の時間です。
🌿 今日からできる!小児推拿流・やさしい3つのケア
ここで紹介するのは、小児推拿ならではの“やさしく温める”ケアです。
「気持ちいいね」「いいこだね」と声をかけながら、安心できる時間にしてあげてください。
① 開天門(かいてんもん)|額をなでて、風邪の邪気を払う
💡なぜ効くの?
眉間から髪の生え際までは、東洋医学で“気の通り道”が集まる場所。
ここをなで上げることで頭の巡りを整え、鼻づまりや頭の重さをやわらげます。
風邪の初期には、体の表面にこもる“邪気”を外へ逃がす助けにもなります。
🪞やり方
- お子さんを仰向けに寝かせ、安心できる姿勢にします。
- 両手の親指の腹を眉間に置き、髪の生え際までゆっくり撫で上げます。
- 左右交互に50〜100回。絵の具を塗るように軽く、リズミカルに。
🌿ポイント:寝起きやお風呂あがりなど、体が温まっているときが効果的です。
② 揉太陽(じゅうたいよう)|こめかみを温めて、頭をすっきり
💡なぜ効くの?
「太陽(たいよう)」は、頭痛や発熱の初期に働くツボ。
この部分をやさしく刺激すると、こめかみまわりの血流がよくなり、
頭のモヤモヤ感や目の疲れがすっきりします。
📍場所
眉尻と目尻を結んだ線の中央から、やや後ろにあるくぼみ。
🪞やり方
- 人差し指または中指の腹を、左右のこめかみに当てます。
- 力を入れずに、小さな円を描くように30〜50回。
- 「気持ちいい?」と声をかけながら、リズムを合わせるように行いましょう。
🌿ポイント:寝る前のリラックスタイムにもおすすめです。
③ 推三関(すいさんかん)|腕を温めて、エネルギーをチャージ
💡なぜ効くの?
「三関(さんかん)」は、体を温めて“気(エネルギー)”を補う手技。
寒気がするとき、汗が出にくいとき、元気がないときにぴったりです。
腕を温めることで、体全体の抵抗力が高まります。
📍場所
腕の外側(親指側)で、手首の付け根から肘までの一直線上。
🪞やり方
- お子さんの腕を伸ばし、手のひらを下に向けます。
- 片手で腕を支え、もう一方の人差し指と中指で手首から肘へ向かって擦ります。
- 100〜300回、皮膚がほんのりピンク色になるくらいが目安。
🌿ポイント:冷えやすい朝や夜に行うと、体がぽかぽか温まります。
💕 パパ・ママの愛情が、いちばんの処方箋
どのケアも、ほんの数分でできるやさしい“手あて”です。
上手・下手を気にする必要はありません。
大切なのは、「あなたの手で、あなたの子をあたためること」。
「気持ちいいね」「すぐ良くなるよ」
そんな言葉を添えながら、ゆっくり触れてあげてください。
そのぬくもりが、体と心をほっとさせ、
お子さんの“治ろうとする力”を引き出します。
お子さんにとって、あなたこそがいちばんの名医です。
💬 次回予告
明日の【私の東洋医学】では、
「触れるケア」の準備中〜子ども推拿講座に込めた想いをテーマに、
日々の施術や家庭でのケアを通して感じる、
「なぜ“触れること”が大切なのか」。
子ども推拿を伝える中で生まれた想いを、
少しずつ言葉にしていきます。
⚠ ご注意ください
今回ご紹介したケアは、風邪の初期や予防を目的としたものです。
実践前には手を清潔にし、爪を短く整えてください。
ベビーオイルを少量つけると滑らかに行えます。
高熱・ぐったり・長引く咳などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
📖 この記事は、著書『子どもマッサージ 心とからだを整える東洋医学ケア』(ハート出版)より、一部内容をもとにしています。
詳しくは本書でもご紹介しています。
👉 子どもマッサージ公式書籍ページはこちら