🕊️ 秋の感情のゆらぎは「肺」からのサインかもしれません
こんにちは。安泰漢方鍼灸院の院長、稲葉貞子です。
秋も深まり、空が高く澄む季節。ふとした瞬間に胸がきゅっとしたり、理由もなく寂しさを感じることはありませんか?
それは“季節のせい”ではなく、東洋医学でいう「肺」と深く関係しているのです。
🍁 「肺は悲を主る」──感情を司る臓としての肺
東洋医学では、五臓(肝・心・脾・肺・腎)がそれぞれ感情とつながっていると考えます。
中でも「肺」は“悲しみ”“憂い”を司る臓。
その働きが弱まると、気(エネルギー)の巡りが滞り、心身ともに沈みがちになります。
💨 「気」を巡らせる肺の役割
肺は呼吸を通して“気”を全身に届ける要。
その働きが乱れると、活力が減り、悲しみや不安といった感情が強まりやすくなります。
また肺は乾燥や冷えに弱い“嬌臓(きょうぞう)”。
秋の乾いた空気や急な気温差が、心身のバランスを崩す要因となります。
さらに、肺は皮膚や体毛ともつながる臓。
秋に肌の乾燥や荒れが増えるのも、肺が弱っているサインかもしれません。
🌬️ 深い呼吸で心と体を整える「腹式呼吸」
基本のやり方
- 背筋を伸ばして座り、お腹に手を当てる
- 鼻から4秒かけて息を吸い、お腹をふくらませる
- 口から6〜8秒かけて細く長く息を吐く
- 吐くときは「いらないものを手放す」イメージで
効果的なタイミング
- 朝:新しい空気で気の流れを整える
- 夜:心身をゆるめ、安眠をサポート
- イライラした時:感情の滞りをリセット
応用:「嘆息呼吸法」
意識的に“ため息”をつくことで、心の中の憂いを外へ出します。
深く息を吸い、「はぁ〜」と声に出して吐く──
それだけで、肺が軽くなるのを感じるでしょう。
🍐 肺をうるおす食材と生活ケア
食事で潤す
- 白い食材:梨、大根、れんこん、白きくらげ
- 辛味の薬味:ねぎ、生姜、にんにく(体を温め巡らせる)
- 酸味の果物:ゆず、柿、りんご
おすすめレシピ:梨のコンポート
秋の乾燥した肺をやさしく潤し、気分を穏やかに整えます。
環境と暮らし
- 加湿器で湿度50〜60%を保つ
- 軽いストレッチや散歩で深い呼吸を促す
- 寝室には観葉植物を置いて空気を清める
🌿 当院でのアプローチ
東洋医学では、体と心は一体。
秋の物悲しさを感じやすい方には、次のような施術を行います。
- 鍼治療:肺兪(はいゆ)・太淵(たいえん)・合谷(ごうこく)
- お灸:中府(ちゅうふ)・足三里(あしさんり)
これらのツボで気の巡りを整え、呼吸と感情の調和を取り戻します。
☁️ 院長のひとこと
私自身も忙しい日々が続くと、呼吸が浅くなりがちです。
そんな時こそ、窓を開けて空を見上げ、深く息を吸い込むようにしています。
自然と心が静まり、体の内側からあたたかさが戻るのを感じます。
💬 まとめ
秋の物悲しさは、心の問題ではなく“肺の声”かもしれません。
深い呼吸は、体を整えるだけでなく、感情を癒す力を持っています。
心と体のバランスを整えたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。
あなたの「肺」と「心」に寄り添いながら、東洋医学の視点でサポートいたします。
🌸 次回予告
10/18(土)|親子でできるケア
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