今日からできる「足腰温活」5つの習慣
こんにちは。安泰漢方鍼灸院の稲葉貞子です。
朝夕の風に秋の深まりを感じるこの頃、
「足先が冷たくて眠れない」「腰のあたりが冷えてだるい」——
そんなお悩みが増えていませんか?
冷えは単なる季節の変化ではなく、体のエネルギーの巡りが滞っているサインです。
放っておくと、疲れ・むくみ・不眠・生理不調などにつながることも。
今日は、東洋医学の知恵を生かした“足腰を温める5つの習慣”をご紹介します。
🌿 東洋医学から見た「冷え」の本質
東洋医学では、体の冷えは「気(エネルギー)」「血(血液)」「水(体液)」のバランスが崩れ、
巡りが滞った状態と考えます。
とくに足腰の冷えは、生命力を司る『腎(じん)』のエネルギー不足が関係しています。
腎は体を温める“命門の火”を宿し、この火が弱まると、
体の芯が冷え、足腰の重だるさや冷感となってあらわれます。
現代医学的に見れば、冷えの背景には血流の停滞があります。
心臓から送り出された血液は、ふくらはぎの筋肉(第二の心臓)のポンプ作用で心臓に戻りますが、
運動不足や冷えによる血管収縮でこの循環が悪くなり、
冷えとむくみの悪循環が生じやすくなります。
🔥 今日からできる「足腰温活」5つの習慣
① 深部から温める「生姜足湯」
40℃前後のお湯に、生姜の薄切り3枚と塩ひとつまみを加えます。
くるぶしまでしっかり浸かるようにして、15分ほど温めましょう。
🪷ポイント
- 就寝1時間前に行うと、質の高い睡眠に◎
- 足裏のツボ「湧泉(ゆうせん)」を温めることで、腎の働きを高める
- 足湯後は靴下を履いて保温を
生姜には血流を促進し、体の深部から温める作用があります。
冷え性・むくみ・不眠にもおすすめです。
② 経絡を意識した「重ね着温活」
足腰には、冷えに関係する「腎経」「膀胱経」が通っています。
これらを冷やさない服装を心がけましょう。
🧣おすすめの重ね方
- 腹巻きでおへそ下の「丹田」を保温
- レッグウォーマーで足首の「三陰交」を温める
- 五本指ソックスで足指の巡りを促す
素材はシルクやウールなど天然素材が理想的です。
一枚の厚着より、薄手を重ねて温度調整する方が効果的です。
③ 食から整える「温め薬膳」
体の内側を温めるには、食事も大切。
東洋医学では、「温性」「熱性」の食材を取り入れることで、
体の巡りを整え、冷えにくい体をつくります。
🌾おすすめの温め食材
- 鶏肉・鮭・エビ:体を温め、血行を促進
- 生姜・にんにく・ねぎ:気血の巡りを改善
- 黒豆・山芋・くるみ・なつめ:腎を養い、疲労回復にも◎
- ごぼう・にんじん・れんこん:胃腸を温め、消化を助ける
🍵簡単レシピ:「生姜黒糖くず湯」
生姜汁小さじ1、黒糖大さじ1、くず粉小さじ1をお湯で溶かしながら煮立たせる。
体の芯からじんわり温まり、気持ちもほぐれます。
④ 巡りを促す「経絡ストレッチ」
冷えは“滞り”から生まれます。
腎経・膀胱経を意識したストレッチで、気血の流れを促しましょう。
🧘♀️おすすめ動作
- あぐらストレッチ:足裏を合わせ、膝を上下に30回動かす
- 前屈ストレッチ:足を伸ばして前屈し、太ももの裏を伸ばす
- 腰回しストレッチ:腰に手を当て、ゆっくり大きく回す
呼吸を止めず、1日2回(朝・夜)が理想です。
⑤ 「腎精」を養う質の高い睡眠
夜の22時〜2時は、東洋医学で「腎が充電される時間」といわれます。
この時間にしっかり休むことで、体のエネルギー「腎精(じんせい)」が補われます。
🌙快眠のためのひと工夫
- 就寝前に足湯で体を温める
- 湯たんぽで布団を温めておく
- 室温は快適と感じる温かさ
- 腹式呼吸で副交感神経を優位に
💧 院長からのメッセージ
温活とは、単に体を温めるだけでなく、自分をいたわる時間でもあります。
湯たんぽのぬくもりや足湯の香りに包まれる時間が、
心の冷えまで溶かしてくれます。
無理せず、気持ちよい温かさを続けることが、
冷え知らずの体への第一歩です。
🪷 まとめ:冷えを整えることは、暮らしを整えること
足腰の冷えは、体が「少し休んで」と伝えるサイン。
薬膳・足湯・重ね着・ストレッチ・睡眠——
どれも、今日からできる小さな温活です。
少しずつ続けることで、体の内側に“温める力”が育ち、
冷え知らずの穏やかな秋を過ごせますように。