「鼻と肺」を強くする親子マッサージ
こんにちは。安泰漢方鍼灸院の院長です。
朝夕の冷え込みが感じられる季節、お子さんの体調はいかがでしょうか?
「風邪は治ったのに、鼻水だけが止まらない」
「薬には頼りたくないけれど、どうすれば…?」
――そんな声を多くいただきます。
実は、東洋医学の知恵を取り入れた “親子マッサージ” で、
この「長引く鼻水」をやさしく整えることができます。
今日は、ご自宅で簡単にできる“鼻と肺を強くするケア” をご紹介します。
🍂 なぜ子どもの鼻水は長引きやすいのか
東洋医学では、鼻は 「肺の門戸」=肺の健康を映す鏡 と考えます。
肺はデリケートで乾燥や冷えの影響を受けやすく、特に秋冬は弱りやすい臓。
子どもの場合、肺の働きがまだ未熟なため、
風邪をひくと鼻水や咳だけが長引くことがあります。
さらに、肺は「皮毛(皮膚や体表)」とも関係があり、
免疫力やバリア機能にも深く関わっています。
つまり――鼻・喉・皮膚・免疫 は、すべて“肺の健康”とつながっているのです。
💡 現代医学から見ても
子どもの鼻の粘膜はとても敏感。
わずかな温度差やほこりでも炎症が起きやすく、
副鼻腔の発達が未熟なため、鼻水がこもって長引くことがあります。
この「滞り」をやさしく流すのが、
今日紹介する2つの東洋医学マッサージです。
🌸 今日から始められる!鼻と肺を整える2つの親子マッサージ
① 鼻の通りを良くするツボ「迎香(げいこう)」マッサージ
迎香 は「香りを迎え入れる」という意味。
鼻の通りを良くし、鼻水・鼻づまり・花粉症にも働きかけるツボです。
📍 見つけ方
小鼻の左右のふくらみのわき(ほうれい線の上)にあるくぼみ。
✋ やり方
1️⃣ お子さんをママ・パパの前に座らせ、リラックスさせる。
2️⃣ 人差し指の腹でツボにやさしく触れ、
「気持ちいいね」と声をかけながら小さな円を描く。
3️⃣ 時計回りに10回、反時計回りに10回。
4️⃣ そのあと、軽く上方向へ押し上げるように1〜2分。
🌿 タイミングとコツ
- 朝起きた後、食前、お風呂上がりがベスト。
- 手を温めてから行うと、よりリラックス効果が高まります。
- 「お鼻さん、元気になーれ♪」と声をかけながら楽しく。
② 背中で肺を元気にする「捏脊(ねっせき)」マッサージ
中国の小児推拿で古くから伝わる代表的なケア法。
背中の経絡を刺激し、肺の機能と免疫力を高めます。
📍 やり方
1️⃣ お子さんをうつぶせに寝かせる(ひざの上でもOK)。
2️⃣ 背骨の両側、約1〜2cm外側を首の付け根から腰まで軽くつまみながら下へ。
3️⃣ 皮膚を軽く持ち上げるように、リズミカルに行うのがコツ。
4️⃣ 2〜3往復を目安に。お風呂上がりがおすすめ。
🌿 ポイント
- 赤みが少し残る程度がちょうど良い強さ。
- 「息を吸って〜、吐いて〜」と呼吸に合わせて行うとリラックス効果◎。
- 続けるほど肺の力が安定し、風邪をひきにくくなります。
☕ 日常でできる+αのケア
💧 潤いを保つ飲み物
- はちみつ白湯(喉の乾燥予防・抗菌効果)
- りんごすりおろし湯(胃腸を整える)
- 大根湯(咳・痰に効果的)
※1歳未満のお子さんに蜂蜜はNGです。
🌿 室内環境
- 湿度50〜60%をキープ(加湿器や洗濯物で調整)
- 1日数回の換気で新鮮な空気を取り入れる
- 首元・お腹の保温で肺を守る
⚠️ マッサージを控えるべきとき
- 黄色や緑色の鼻水が続く
- 38℃以上の発熱
- 呼吸が苦しそう
- 食欲不振やぐったりしている
- 耳を痛がる(中耳炎の可能性)
その場合は医療機関へご相談ください。
🌈 よくある質問
Q:何歳からできますか?
👉 首がすわる生後3〜4か月頃から可能。力加減に注意を。
Q:どのくらい続ければいいですか?
👉 1回5〜10分、1日1〜2回を目安に。続けるほど変化を実感できます。
🌷 まとめ:親の手がいちばんの薬
子どもの鼻水は、肺のサインでもあります。
迎香 と 捏脊 は、薬に頼らず自然治癒力を引き出す東洋医学の知恵。
親の温かい手で触れることが、いちばんの「安心」と「回復力」になります。
毎日のスキンシップを通して、
お子さんの呼吸と免疫をやさしく育てていきましょう。