生命の源「腎」を補う黒い食材と早寝早起きのすすめ
こんにちは。安泰漢方鍼灸院の院長、稲葉貞子です。
10月23日頃は二十四節気の「霜降(そうこう)」を迎えます。
朝夕の冷え込みがいっそう厳しくなり、北の地域からは初霜の便りが届く季節。
自然界のエネルギーが「収斂」から「閉蔵」へと移り変わる、大切な節目です。
「霜降」は冬への最終準備期間
霜降は秋の最後の節気であり、冬(立冬)を迎えるための最終調整期間です。
東洋医学ではこの時期、**生命エネルギーを蓄える臓「腎」**をしっかり養い、寒さに負けない体づくりを始めることが大切とされています。
秋のエネルギーが内に収まっていくこの時期に無理をすると、冬の冷えや疲労、春の不調につながることも。
「霜降」は、まさに冬の体への切り替えタイミングです。
「腎」は生命の源
東洋医学でいう「腎(じん)」は、単なる臓器ではなく、
生命エネルギー(腎精)を蓄える場所です。
腎には「命門の火」という生命の灯(ともしび)があり、
体を温め、全身のエネルギーを巡らせています。
腎の主な働き
- 成長・発育・生殖を支える
- 骨や歯を強く保つ
- 水分代謝を整える
- 脳(記憶力・集中力)をサポートする
この「腎」のエネルギーが弱まると、
腰や膝のだるさ、冷え、白髪、耳鳴り、夜間頻尿などが現れやすくなります。
🌙 今こそ「早寝早起き」で体を冬モードに
「冬は早寝晩起(夜早く寝て、朝はゆっくり起きる)」というのが古典の教え。
しかし、霜降の時期は冬の入り口。エネルギーの流れが変わるこの時期は、
「早寝早起き」で体を冬モードに慣らしていくのがポイントです。
エネルギーの移り変わり
| 季節 | エネルギーの動き | 養生のポイント |
|---|---|---|
| 秋(収斂) | 陽気が地上から地下へ沈む | 早寝早起きでリズムを整える |
| 冬(閉蔵) | 陽気が地下に閉じこもる | 早寝晩起でエネルギーを温存する |
実践リズム
- 就寝:22時までに布団に入る
- 起床:6〜7時頃、朝の光を浴びて活動開始
- 昼間:軽い運動で陽気を巡らせる
このリズムが自然と冬の「早寝晩起」生活へとスムーズに移行させてくれます。
🖤 腎を補う「黒い食材」の力
東洋医学の「五色五味」理論では、黒い食材は腎を養うとされます。
黒い食材にはミネラル・鉄分・アントシアニンが豊富で、
血流を改善し、体の内側から温める働きがあります。
🫘 おすすめの黒い食材
| 食材 | 主なはたらき | おすすめの摂り方 |
|---|---|---|
| 黒豆 | 腎を補い、水分代謝を整える | 黒豆の煮物、黒豆茶 |
| 黒ごま | 髪や肌に潤いを与える | 黒ごまきな粉ドリンク、ごま和え |
| 黒きくらげ | 血をきれいにし、潤いを補う | 炒め物、スープ |
| 昆布・わかめ | 余分な塩分を排出し、デトックス | 味噌汁、酢の物 |
| くるみ | 腎を温め、脳をサポート | 間食やサラダのトッピングに |
🍚 簡単レシピ:「腎ケアごはん」
材料
- 白米 … 2合
- 黒豆(戻したもの) … 50g
- 昆布 … 1切れ
- 塩 … ひとつまみ
- 黒ごま … 適量
作り方
- 白米に黒豆と昆布を加えて炊く
- 炊き上がったら塩と黒ごまを混ぜる
ほんのり甘く香ばしい味わいで、朝食にもおすすめです。
♨️ 温めて「命門の火」を守る
腎は「寒邪(かんじゃ)」に弱い臓。
冷えは腎のエネルギーを消耗しやすいため、温めケアが大切です。
今日からできる温活習慣
- 腹巻き:おへその下「丹田」と背中の「命門」を一緒に守る
- 足湯:40℃前後のお湯に15分。生姜の薄切りを入れるとさらに効果的
- 湧泉(ゆうせん)の温灸:足裏のツボを温めて、腎のエネルギーを湧き出させる
🌿 院長の「霜降」養生日記
私自身もこの時期は“冬支度モード”で過ごしています。
朝の習慣
- 起床後に白湯を一杯
- 黒ごま+きな粉の温ドリンク
- 軽いストレッチで体を温める
夜の習慣
- 21時までに入浴を済ませる
- 就寝1時間前からスマホオフ
- 足湯と深呼吸でリラックスして眠る
🌸 まとめ:霜降から始める「冬の体づくり」
霜降は、自然も人もエネルギーを内に蓄える時期。
黒い食材で腎を養い、早寝早起きで体を整えることが、
冬の冷えや疲れを防ぐ最大の養生法です。
「自分の冷えや疲れがなかなか取れない」
「腎のケアをもっと知りたい」
という方は、お気軽に安泰漢方鍼灸院へご相談ください。
女性の体質に合わせた、やさしい冬の養生法をご提案します。
